フリーランス、稼ぎがあるなら国民年金基金。
- 2018.09.05
- 社会保険

どうもこんにちわ、結局、まじめなブロガーのINAZOOです~。
僕は希代の社畜なので、厚生年金に加入していますが、フリーランスの人って基本は国民年金の一本足打法ですよね?
そうなると、現行法でいくと、65歳からMAXで約779,300円の年金がでます。
但し、これは年額、20歳から60歳までの40年間満額でしっかり納付している人の年金額です。
・
・
・
・
・
つまり、月額だと、正味65,000円くらいです・・・。
はい、きついっすよね!?
いくら貯蓄があろうと、私的に資産運用や貯蓄をしていても、年金がこれだけって・・・
つらし。
そこで、今回おすすめするのが、「フリーランス、稼ぎがあるなら国民年金基金」です。
余裕あるなら月々1万弱くらいを掛けて、老後のベースアップしたほうがよくないっすか?
国民年金基金とは
国民年金基金は、国民年金にプラスαで加入できる年金制度です。
会社員等の方(厚生年金被保険者)は国民年金と併せて、会社員として納付していた厚生年金保険料に基づく老齢厚生年金が支給されますが、フリーランス(自営業等)の方には支給されず、老後の年金額に差が生じてしまいます。

そこで、国民年金(基礎年金)とセットで、フリーランス(国民年金の第1号被保険者)における老後の生活保障の役割を担うものとして誕生したのが、「国民年金基金」です。
上の図でいうところの、一番左の「第1号被保険者」の箇所が対象です。
国民年金(基礎年金)に乗っかっているのが、本記事で紹介する、「国民年金基金」と「iDeCo」であり、いずれかを選択、あるいは同時加入することで、老後の年金にプラスαをすることができます。
国民年金基金ってホームページも日本年金機構と別なので、どっかの民間がやっている年金かなぁ・・・?と思われがちですが、
れっきとしたとした老齢年金の一つであり、国民年金法の規定に基づく公的な年金になっています。
ちなみに、国民年金制度の全体像をつかむには、こちらの記事を参考にしてみてください ↓

国民年金基金の種類
国民年金基金は、地域型と職能型の二つの種類があります。本記事の主旨とは直接関係はありませんが、参考までに紹介しておきます。
地域型国民年金基金
47都道府県それぞれに設立されています。
また、地域型基金に加入できるのは、同一の都道府県に住所を有する国民年金の第1号被保険者、つまり、フリーランスとか自営業の方です。
職能型国民年金基金
職能型基金に加入できるのは、各基金ごとに定められた事業または業務に従事する国民年金の第1号被保険者の方です。つまり、同業の自営業者たちが集まって構成する基金といったイメージです(3,000人以上の加入員が必要)。
ちなみに、地域型と職能型の2つの形態が設けられていますが、それぞれの基金が行う事業内容は同じです。
なお、加入する場合はいずれか一つの基金にしか加入できませんので、加入される方が選択することになります。
加入できる人
国民年金基金に加入できるのは、フリーランス(自営業)の方のみです。
厳密に言うと、国民年金の第1号被保険者(日本国内に住所を有する60歳以上65未満の任意加入被保険者及び日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者を含む。)のみが加入員になれます。
つまり、会社員である第2号被保険者、あるいは、サラリーマンの妻と呼ばれる第3号被保険者は、基金の加入員となることはできません。
但し、フリーランス(自営業)などの方も、国民年金の保険料(全部又は一部の額)を納付することを要しないものとされている者、及び農業者年金の被保険者は加入員となることはできません。
ちなみに、下記のような人は国民年金保険料を免除することができますよ。
話を戻すと、保険料免除をしている人は国民年金基金に加入できないということですね。
それはそうです。
あくまで、国民年金ありきで、上乗せするためのものが、「国民年金基金」ですので、元々の国民年金がMAXない人が積めるというのも変な話ですよね。
加入するメリット
国民年金基金に加入するメリットは大きくは次の二つにあります。
端的に言うと、決まった金額の年金を一生もらい続けることができる! しかも、税制優遇されまっせ。
といった感じ。
選べる、終身年金か確定年金
終身型は「一生涯」年金を受け取ることができます。
確定型は支給期間を5年、10年、15年から選択することができます。
そして、国民年金基金の最大のメリットは、この終身型です。
というのも、iDecoを含むその他の私的年金では終身で年金を受け取ることはできません。
ちなみに、終身型で受け取ることができる年金の代表が、国民年金や厚生年金です。
これらと併せて一生もらえる年金額をベースアップさせることができる、ということですね!
そのため、長生きすれば長生きするほどにメリットがある年金ともいえます。
人生100年時代・・・いろんなところで超高齢化、超超高齢化などとまことしやかに叫ばれています。
財政面などを見ればマイナスな表現が多いのですが、個人レベルで見ると、長生きすることってとても素敵なことですよね。
ということで、長生きすることをポジティブに捉えると魅力的なのが、まさに「国民年金基金」だといえます。
一方、あまり考えたくない話ですが、仮に長生きできなかった場合は、デメリットもあります。
というのも、長生きできないと、実際に受け取った金額が支払った金額より少なくなることもありえます。
しかし、人生何があるか分かりません。
誰も自分が何歳まで生きるかも分かりませんし、俺は短命でイイっていう人に限って長生きとかするもんですww
なので、余裕があれば絶対に入っておいた方が良いです。
高齢になるにつれて、仕事もできない(あるいは、したくない)といった時に、少しでも多くの年金で生活ができた方が良いですよね。
掛金の全額所得控除で税金がお得
掛金は、全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。
節税しながら将来に備えることができるわけですよ、これは後ほど詳細に触れます。
・
・
・
・
・
・
給付の型と口数
国民年金基金の給付は、老齢年金と遺族一時金の2つがあります。
老齢年金は65歳からもらえる年金のことです。
年金額については、自分で選択した国民年金基金の加入パターンによって異なります。
ちなみに、国民年金基金の加入は、口数制となっており、掛金や給付の型を自分で選択していくことになります。したがって、自分が何型で、何口加入するかによって受け取る年金額が決まるということですね。
尚、老齢年金以外の給付の種類である「遺族一時金」は、加入する型に応じて、そもそも一時金のあるもの、ないものなどがあります。
具体的には、年金を受け取る前に亡くなった場合、加入時の年齢、死亡時の年齢、死亡時までの掛金納付期間に応じた額が遺族一時金として遺族に支給されます。いわゆる掛け捨て防止のような要素ですね。
詳しく見ていきましょう。
選べる「型」
終身年金- A型・B型
えっと・・、A型とB型って・・・血液型じゃないっすよ?
端的に二つの違いをいうと、
保証期間中(15年間)に死亡したら、遺族にお金(遺族一時金)が入るか、入らないかの違いです。
具体的には、A型が遺族への一時金が出て、B型が掛け捨てということになります。
そのため、お察しの通り、B型の方が掛金は安いです。
尚、B型においても年金受給前に死亡した場合であっても、1万円の一時金が遺族に支払われます。
・
・
・
1万円って・・・寸志やん。
ですので、A型にしておけば、支払った年金を無駄にすることなく、遺族一時金によって元が取れるような仕組みとなっています。
そのため、A型を選択する色合いとしては、家庭がいる、あるいは、将来的には結婚や子供も欲しいと思っている方に向いています。
自分にもしものことがあった際に、生命保険のような位置づけで、掛金を一時金として遺族に残すことができる、といったイメージが分かり易いですね。
したがって、民間の生命保険などに加入されていて、遺族保障が潤沢だという方であれば、なにも国民年金基金においても遺族一時金を考えることもないと思いますので、B型を選択しても良いのかもしれません。
ちなみに、A型の保証期間は15年間なので、65歳から支給を受けて、80歳になるまでに亡くなった場合には遺族一時金が出ますが、80歳以降に亡くなった場合は一時金が出ない、ということになります。
まぁ、80歳よりも長生きしてくれれば、正直一時金なんていりませんよね、それ以上の価値がありますよ。
逆に、俺はずっと一匹狼だぜぇい!的な人であれば、B型で掛金を安く抑えて、65歳以降から自分で年金を受け取る、といった選択肢が取れると思います。
つまり、80歳以上になるとそれまでの掛金がA型より安かった分、生涯を通してお得ということです。
もうここまできたら、密かに長生きした自分を褒めてあげてください。
確定年金- Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型・Ⅳ型・Ⅴ型
ちょ、ドラクエですか?っつうくらい型数があるんですが、簡単に説明していきます。
まず、先ほど説明した終身型と異なり、確定型は受取期間が決まっているものだということが前提条件です。
そして、ⅠからⅤまでの分類の根拠は、支給開始となる年齢によって違うという点です。
具体的には、65歳のもの(I型・II 型)と60歳のもの(III型・IV型・V型)と分けることができます。
その上でそれぞれの型の違いは何かということですが、これは終身型A型にあったいわゆる「保証期間」の長さに応じて異なる、ということです。
ということは、終身B型とは異なり、確定ⅠからⅤ型はいずれも保証期間内であれば遺族一時金が出る、ということにもなります。
ちなみに図でⅤだけ割愛されていますが、Ⅴの場合は60歳から支給開始で5年保証になります。つまり、65歳まで支給されるという短期間のものですね。
選べる「口数」
1口目は、終身年金A型かB型のいずれかを選択することになります。
ちなみに、1口目は途中で減額したり、型を変更(A型からB型、B型からA型)することはできません。
つまり、絶対に1口目で終身年金には加入することになります。
そして、2口目以降で終身年金と確定年金を併せて7パターンの内から型を選択して、加入口数を増やしたり(増口)、減らしたり(減口)することができるようになります。ちなみに、増口は月毎に何回でも可能です。
したがって、2口目以降は、ご自身の仕事や経済状況を考慮して余裕のある時に増口して、掛金を多めに入れておく、といったことが可能なので、収入の振り幅に応じて適宜、柔軟に掛けることができます。
↓ こちらの国民年金基金連合会のHPに、増口パターンサンプルが紹介されてますのでイメージの参考にどうぞ。
掛金について
月額の掛金は、選択した給付の型(終身 or 確定)、加入口数、加入時の年齢、性別によって異なります。
一例として、いなだが今(30歳)から加入したパターンの掛金と年金についてシミュレーションしてみます。
仮の想定ですが、いなだがこれからフリーランスになる場合、まぁ手堅く年間400万円程の所得は死守せねばならん!という前提の元に試算します。
また、選択する給付型ですが、1口目は、愛する妻とやんちゃな1歳児の息子がいますので、迷わず遺族一時金のある終身年金A型を選択します。
さらに、2口目としては、フリーランスでやっていくのであれば、自分のペースで70歳とかになっても稼いでいけたら理想だなぁ・・・と思っているので、期間の定めがある確定年金ではなく、終身でもらえる1口目同様のA型を増口します。
【いなだの選択】
1口目 → 終身年金 A型
2口目 → 終身年金A型
はい、これでシミュレーションしていきます。

月額15,915円ですか・・・結構キツイぜいっ!!!
ただ、自由のため、愛する家族と自分の老後のため、ひるまずいくぜ!!!!www
次に、実際にもらえる年金額の試算結果がこちら ↓

65歳からの受取金額が362,500円 / 年・・・。
ということで、冒頭に記述した満額の老齢基礎年金(約780,900円 / 年)と合わせると、月額換算すると約95,000円ってとこでしょうか。
まぁ老齢基礎年金だけだと家賃で飛ぶ感じでしたが、国民年金基金に入れば、何とか1カ月分の食費くらいは追加されますね!
少ないと感じるかもしれませんが、年金はあくまで老後の生活保障なので、80歳とか90歳になった時に、生活をする上では十分な金額だとも思えます。

前述した通り、国民年金基金は税の軽減措置がとられているので、僕のシミュレーションだと、年間で58,096円も軽減されます!
これかなりでかいっすよね、この点が一番おススメかもしれません。
・
・
・
・
いかがでしょうか?
ちなみに、ご自分の掛金月額や年金額を調べるには、こちらをどうぞ ↓
ちなみに、僕はチキって2口の掛金でシミュレーションしましたが、掛金月額の上限は6万8,000円となっています。そのため、給付の型及び加入口数は、6万8,000円以内で選択ができるということです。
※ただし、iDeCoにも加入している場合は、その掛金と合わせて6万8,000円以内となります。
さらに、掛金払込期間は、60歳未満で加入する場合は、加入時から60歳到達前月まで、
60歳以上で加入する場合は、加入時から65歳到達前月までとなります。
iDeCoとの違い
最大の違いは「確定拠出」と「確定給付」という点です。
つまり、iDeCoは自分で運用先を決め、その運用によって資金が増えたり減ったりしますので、年金額は最終的にいくらになるのか分かりません。増えるのも減るのも自己責任というのが原則です。
まぁ、iDeCo、iDeCoって言ってますが、「個人型確定拠出年金」ですからね、自己責任に基づく、確定拠出が大前提です。
一方、国民年金基金は、いくらで運用するかは決まっていますので、加入したときの予定利率で、ずっと最後まで続きます。
ちなみに、先述したメリットの内、税制優遇面においては、iDeCoも国民年金基金もほぼ同じのようです。どちらも掛金の全額は所得税、住民税の控除になります。年金を受け取るときも公的年金控除の対象となります。
また、その他の違いは、国民年金基金は「60歳以降も加入できる」ということです。iDeCoは、60歳以降は拠出が終了してしまいます。つまり、国民年金基金であれば、60歳以降も節税しながら年金を増やすことができるということです。
※60歳以上の加入条件は、国民年金の任意加入になります。
整理すると、より投資的要素が強いのがiDeCoであり、生命保険的でもあり積立要素の強いものが国民年金基金ということですね。
また、軽く触れましたが、上限掛金内であれば、国民年金危機とiDeCoの同時加入も可能です。
いずれにせよ、ご自身が老後、どのように過ごしたいのか、フリーランスとして生きていく中でどれくらい稼ぎが得れるのかといったそれぞれの状況により異なりますので、よくよく比較してみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
-
前の記事
大切なことは全て「ときメモ」で教わった 2018.08.29
-
次の記事
Udemyで大体のことができるようになる。 2018.09.10
コメントを書く