有休の理由を聞いてくる経営者、お前にそんな権利はないよ。

有休の理由を聞いてくる経営者、お前にそんな権利はないよ。

どうもこんにちわ、INAZOOです。

 

本日は私が遭遇したクソ事案の紹介と、うちの社長と同じような愚行をしてしまった経営者へのお灸的記事になります。

 

事の経緯を話します。

 

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経緯を紹介

当社は毎月第5土曜日が出勤日(就業規則に規程有)となっており、四半期に一度の頻度で、この出勤日を利用して全社清掃が行われています。勿論、社員全員参加で。

 

この時点でアホのような会社なのですが、私は先日、直近の清掃日について不参加の旨の申出をしました。つまり、出勤日たる土曜日に有給休暇を取得しようとしたということですね。

 

これに対して当社のアホ社長が、総務の女性社員を通じて、なぜ清掃日に参加できないのかを聞いてきました

 

はい、問題はここです。

 

つまり、年次有給休暇を取得しようとした社員に、その理由を聞くという行為。

 

結論から申し上げますと、原則そんな権利は使用者にありません。

 

「それ、言う必要ないですよね?」と総務の女性に言ったのですが、ひどく困っていました。社長に聞いてこいと言われて・・・と。

 

これに関しては本当に申し訳ないなと思いました。総務の女性は何の罪もありません。ごめんない。

 

但し、アホ社長には問題があります。

 

有給休暇は権利であり、申請するものではない

有休休暇は権利であり、申請は不要
権利を主張せよ

まず、我々労働者が有給休暇を取得する権利となる根拠条文です。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
労働基準法第39条

この条文の読み方として最も重要なのが、使用者は有給休暇を与えなければならないと明記していることです。つまり、あくまで使用者が年次有給休暇を付与するのではなく、労働者が持っている当然の権利の行使に対して、休暇を与えないといけないということです。

 

我々は年次有給休暇をもらうのではなく、その権利を行使するだけだということです。つまり、許可を得るといった行為は必要ないのです。もう少し分かり易く明記すると・・・

 

労働者「有給休暇を使います。」

使用者「分かりました、どうぞ」

 

↑ これが合法なやりとりです。一方、

 

労働者「有給休暇を取得させてください。」

使用者「今忙しいからダメ!」

 

↑ これが違法です。

 

論点は、そもそも「有給休暇を取得させてください」とお願いする必要がないということです。

 

何度も言いますが、申請ではなく権利なのです。

 

年次有給休暇は、法律上当然に労働者に生ずる権利であり、労働者の請求を待って初めて生ずるものではないのです。使用者の許可や承認は不要であり、そのような懸念が入る余地そのものがないということですね。

 

この辺は当社の社長のようなアホが持ちがちな概念です。

有給休暇を社長が拒否することはできない

そして、よく勘違いされがちなのですが、有給休暇というものは、使用者たる社長によって労働者の申出を拒否することはできないということです。

 

「嘘だ!」

 

「代表取締役社長である自分には、社員の有給休暇を取らせるか否かの判断を下す力があるに決まってる!」・・・と思ったあなた。

 

悪いことは言いません。戦力たる社員に愛想を尽かされる前によーく勉強しましょう。

 

探してみてください、労働基準法にはそんな条文はありません。

 

そしてよくこの手のバカやバカの手先と化した社労士が振りかざしそうな条文が次のものです。

例外としての「時季変更権」

例外としての時季変更権
逆にお願いしてこいよ、社長さんよ

次の条文に明記されている通り、あくまで例外的に有給休暇の取得日の変更をすることができる、ということです。つまり、拒否権などなく、あくまで異なる日に変更をするということです。

使用者は、前3項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
労働基準法第39条  Ⅳ

そして、この時季変更権絡みで勘違いされがちなのが、時季変更権を正当に行使するために、労働者に休暇の理由を問うという行為です。

 

これは再三述べていますが、あくまで例外的な場合であり、その基準は「事業の正常な運営を妨げる」か否かにおいて判断されます。

 

つまり、私の例で言えば、全社清掃という業務に参加しないことが、事業の正常な運営を妨げる行為かどうかということです。答えは簡単です。

 

掃除をしなくても事業は正常に運営されます。もっと言えば、当社は毎日始業前に清掃を行っており、それ自体に普段から参加している私が、全社清掃日の一日に参加できないことが、どのくらい事業の正常な運営を妨げるものなのでしょうか。

 

仮に、労働安全衛生法に規定される、事業場の労働災害を防止するため必要な事項を守るという労働者の義務に抵触すると解されたとしても、今回の全社清掃日を不参加にすること事態が、何らその義務違反を根拠づけるものだとは到底言えません。

 

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理由を聞かれた時の対処法

一言、「それ、言う必要ありますか?」

 

これで終了です。一蹴してやりましょう。

 

とはいえ、先述した通り、自身が有給休暇を取得することで、事業の正常な運営を妨げる恐れのある場合には、当然その変更権の行使が妥当なのかを判断する上でも、休暇の理由を説明しないといけない場合があります。

 

しかし、それはあくまで例外であり、普通に少し忙しい時期に休みを取るとかその程度の空気の読めないような有給休暇の取得について、使用者に咎められる筋合いもないですし、ましてや拒否する権利などないのです。

 

こんな場合はどうなの?というご質問等があればお気軽にお問合せください。

 

それでは、また。